もともとファンの多かったオルビスユーは2018年10月末にリニューアルして評判も上々のようです。ただ気になるのは、「ちょっと年齢層が合わないんじゃないの?」という人まで手に取ってしまうこと。
オルビスユーは潤いが売り。確かにこれで潤う人も中にはいますが、肌に合わないと乾燥もするし肌荒れもするでしょうね。
何もオルビスユーをディスりたいわけではないのです。むしろ、オルビスさんがわざわざ「あなたにこの化粧品は合いませんよ」と言ってくれているのに、「私も、私も」と本来のターゲットでない年齢の人まで買ってしまう現象に興味を持ったのです。
何が原因なのか? それはオルビスユーのキャッチフレーズが秀逸すぎること。どれも女心をくすぐります。それを見て、真意を理解しないまま『欲しい!』と即決すると失敗します。大切なのは自分がオルビスユーのユーザー層に当てはまるのか当てはまらないのか。
ここでは、新オルビスユーのキャッチフレーズやイメージ戦略を手がかりに、正しいターゲットを読み取ってみましょう。
結論から言うと、オルビスユーのキャッチフレーズはどれも「オイルが含まれていません。皮脂の分泌が十分でない年齢の人は使わないでください」の言い換えです。当然ですが、年齢を重ねると皮脂の分泌は低下していきます。
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キャッチフレーズで見るオルビスユーの年齢層
オルビスユーのキャッチフレーズに注目して、オルビスユーを使用するユーザーの年齢層を確認してみましょう。
解釈①「与えるだけのエイジングケアに終止符を」
ここでいう「与える」というのはリッチな美容成分のことですが、当然油分のことも含んでいます。油分はあくまでも自前で、水分を保持できるコンディションを目指しましょうという意味。ただし、「その気になれば必要な皮脂を分泌できる人に限る」を補って解釈するのを忘れずに。
解釈②「目指すは、肌のセルフコントロール」
これも同じですが、要するに天然の保湿成分である皮脂は自分で出そうよ、セルフコントロールしようよ、という意味。
解釈③「原因は、30代からの停滞による肌の細胞脱水でした」
確かに乾燥の原因に水分不足はあるでしょう。でも油分不足も乾燥の原因になるはず。そのことにふれないのはなぜ? 答えは書いてありますね。「30代からの」と。油分不足になるのは40代くらいからですから、30代ならまだ大丈夫です。ここでいう「30代から」という表現は、40代も50代も60代も含む30代以降のすべての年齢層ではなく、30歳前後の層を限定的に指していることに注意。
解釈④「30代からの分岐点エイジングケア」
上でもふれた通り、「30代から」というのは30代以降のすべての年齢層を示すのではなく、これからエイジングケアを始めてみようかなという30歳前後の層を示しています。これが新オルビスユーの正確なターゲットなのです。
確かにこれまでエイジングケアの必要性を感じなかった30代なら、肌もまだまだ若いですから自分の力でどうにかなります。オルビスが指摘するように、中には必要以上に美容成分や油分を肌に与えている人もいることでしょう。そういう人なら引き算のスキンケアが功を奏す可能性は十分にあります。
オルビスユーのCMタレントは30代?40代?それとも50代?
さて、ここまでオルビスユーが合う人、合わない人について見てきました。自分がどちらに該当するのかイメージが湧いてきましたでしょうか。
まだどちらなのか判断に迷うという人に、最後にとっても簡単な方法をお伝えします。
どの化粧品でも、その化粧品の価値を正確に、魅力的に伝えてくれるタレントさんを起用しているものです。当然、そのタレントさんが与えるイメージは、その化粧品を本来使うべきユーザーの属性に一致しているはずです。
ということは、オルビスユーが起用しているタレントさんによって表現される属性に、自分が当てはまるかどうかを考えてみればよい、ということになります。
リニューアルしたオルビスユーが起用するタレントさんは黒田エイミさんという方です。
黒田エイミさんはオルビスユーのリニューアルの時点で30歳だったそうです。年齢よりもずいぶん若々しく見えますが、それでも30代になったばかりの人です。
つまり、黒田エイミさんのような年齢層の人、黒田エイミさんのような肌体質の人、黒田エイミさんの肌が必要としているような美容成分を同じように必要としている人、がオルビスユーのユーザー候補になるわけです。
もちろん、肌年齢は個人差が大きいので、実年齢は50代だけれど肌年齢は30代という人も中にはいることでしょう。そういう場合は、たとえ40代でも50代でもオルビスユーを使えば、満足のいく結果が得られるはずです。
ただし、見栄をはるのは禁物。
本当は年相応の肌年齢なのに、「いや、私はいつも10歳は若くみられるから」と、意地になって若い子が使う化粧品にこだわっていると結局困るのは自分です。
なぜならば、すべての化粧品は、対象年齢の人が肌に与えた方が良い成分を中心に作られているからです。
まだ20代の人が50代用の美容液を使ったら、まだ与えなくていい成分まで肌に与えてしまうでしょう。
反対に、50代の人が30代用の美容液を使ったら、本当は肌に必要な成分を補いきれないでしょう。
ここで、ひとつ具体的な比較対象を挙げましょう。松田聖子さんを起用したアスタリフトのCMです。
松田聖子さんは50代半ばを過ぎていますから、オルビスユーの黒田エイミさんよりも25歳くらい年上です。
当然、松田聖子さんの肌は、黒田エイミさんの肌だったらまだいらない美容成分も必要としているはずですよね。
例えば、アスタリフトにはヒト型セラミドという高価な成分が2種類含まれています。しかも、その2種類は年齢によって失われやすいタイプのセラミドです。
セラミドは肌にもともと含まれる保湿成分なので、本来なら肌が自分自身で作り出すことができるもの。ただし、セラミドを作り出す力は加齢とともに衰えていきます。
もちろん肌が自ら潤うのなら理想的ですが、40代、50代の肌にそれを求めます?ということなのです。
話しをまとめると。
化粧品は対象年齢ごとに含む成分が変わってきます。
そして、化粧品の正しい対象年齢は、おおむね起用されているタレントさんによって表現されています。そのタレントさんの属性と自分とが、近いのか遠いのかを考えることで、その化粧品が自分に合うのか合わないのかを予想することができます。
「そんなの当たり前だ!」と言われてしまえばそれまでですが(笑)。ただ対象年齢とかけ離れたアイテムを選ぶときは注意が必要です。
オルビスユーはシンプルケアが魅力だったりします。でも、自分の肌がシンプルケアだけで本当に十分なのかは、よく吟味しておく必要があるでしょう。